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樹脂積層式3Dプリンタによる成形実例(4)~クランプ治具~

3Dプリンタ成形品は治具の試作に適性があります。

加工費がかさむ複雑形状であっても失敗を恐れずに、最適形状を模索して何度も試行錯誤ができるのが3Dプリンタの良いところです。

 

下記の写真はクランプ治具の第一段階です。
ワークのクランプ具合の確認のため、そして、顧客にイメージを掴んでもらうために3Dプリンタで試作しました。

 

打ち合わせの結果、クランプ具合はOKなので、後はワークが見えるようにスリットを入れようということになりました。

写真は一枚だけですが、スリットについても何通りか試した上でこのスリットのパターンを採用しました。

 

模索して本製作したのが下記写真です。

 

切削による同等部品加工想定価格と、成形に要した材料費の比較

 

★クランプ治具×試作回数3回
加工費用¥45,000(¥15,000×3)、納期:7.5週間(2.5週間×3)

 

★3Dプリンタによる試作
成形費用¥2,400(¥800×3)、成形時間:4.5時間(1.5時間×3)

 

 

 最適形状を試行錯誤する上で実際には追加工でお茶を濁すケースが多いと思いますし、代替形状を考えることになると思いますが、もしこの形状をそのまま加工するとすれば、コスト約1/20納期約1/35程度の改善となりました。
樹脂積層式3Dプリンタによる成形実例(1)と同様、切削加工代替品ならではの破壊的な改善効果となりました。

 

 もちろん代替形状や代替加工でも実現可能な治具ではありますが、最適品質と顧客満足度が犠牲になります。
3Dプリンタを使うとコストや納期の足かせを軽々と乗り越えていくことができます。

この画期的な試作・製作プロセスを多くの方に体感していただきたいです。

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