3Dプリンタ成形物の溝構造発生を防ぐためには~印刷開始位置の設定~
3Dプリンタに習熟した方々にとって、成形物に溝構造が発生することは避けたい問題です。
この問題を解決するためには、印刷開始位置の設定を調整することが有効です。
以下に具体的な方法を紹介します。
溝構造の原因
成形物に溝構造が発生する原因の一つは、印刷開始位置が各層で同じ位置に揃ってしまうことです。下記の画像のように層ごとの継ぎ目が一直線に並び、溝が形成されます。
この問題を解決するためには、印刷開始位置の設定を調整することが有効です。
以下に具体的な方法を紹介します。
印刷開始位置の設定を試す方法
溝構造を防ぐためには、Slic3rなどのスライサソフトで印刷開始位置の設定を変更します。具体的には、下記の記事にあるように印刷開始位置の設定を変えれば、この問題を解決できます。
印刷開始位置の設定を試す – FIGROBOKOUBOU
Slic3rの設定画面を見ながらの解決方法と設定の手順
Slic3rの設定画面で「Print Settings」タブを選択し、「Layers and perimeters」を選択します。
「Advanced」→「Seam position:」が、各レイヤーの印刷開始位置の設定です。次の3種類が選べます。
- Random:各レイヤーで異なる位置をランダムに選択。
- Nearest:凹状の非オーバーハング頂点を選択。存在しない場合は、凸状の非オーバーハング頂点を選択。
いずれも不可の場合、非オーバーハング頂点を選択。候補の中で前のレイヤーの開始点に近い点を選択。 - Aligned(標準):Nearestと同じロジック。前のレイヤーの開始点に最も近い点を選択。これは、つなぎ目が整列することを意味する。
初期設定では「Aligned」になっていて開始点が各層で揃っているため、溝構造が発生しています。これを「Random」にすると、各層の開始点がバラけるので溝構造発生を防ぐことはできます。
ただ、側面の美しさの点では「Aligned」の方が良いです。溝構造発生が目立たない箇所に発生する場合は「Aligned」を選択することをおすすめします。ぜひ、やってみてください。
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